Linux LPICレベル1 コマンド

コマンドの後に 1>&2 を記述するとどうなるか

ファイルディスクリプタ(File Descriptor)

ファイルディスクリプタ(File Descriptor)は、UNIXおよびUNIX系のオペレーティングシステム(Linuxも含む)において、ファイルやデバイスとの入出力を行うための識別子です。一般的に、次の3つのファイルディスクリプタが使われます。

1. 標準入力(Standard Input) - 通常はキーボードからの入力
2. 標準出力(Standard Output) - 通常は画面への出力
3. 標準エラー出力(Standard Error Output) - エラーメッセージなどの出力

これらのファイルディスクリプタは通常、次のように表されます:

- 標準入力: 0
- 標準出力: 1
- 標準エラー出力: 2

コマンドライン上でコマンドを実行する際、これらのファイルディスクリプタを操作して、データの入出力を管理できます。例えば、`>` や `2>` などのリダイレクション演算子を使用することで、これらのファイルディスクリプタを操作します。

バックグラウンドでコマンドを実行する際に `&` を使用する場合、デフォルトでは標準出力と標準エラー出力はターミナルに表示されます。

& はファイルディスクリプタではなく、プロセスコントロールに関連する特殊文字

& はファイルディスクリプタではなく、プロセスコントロールに関連する特殊文字です。具体的には、& はコマンドをバックグラウンドで実行するためのもので、ファイルディスクリプタとは異なる概念です。

ファイルディスクリプタは、ファイルやデバイスとの入出力を管理するための識別子です。これらは通常0、1、2などの整数で表され、標準入力、標準出力、標準エラー出力などを指定します。

一方、& はプロセスをバックグラウンドで実行するための特殊文字で、コマンドを実行する際にプロンプトを待たずに次のコマンドを入力できるようにします。

コマンドの後、 1>&2としたらどうなるか

`command 1>&2`というコマンドは、以下のような動作をします:

1. `command`というコマンドを実行します。
2. コマンドの標準出力(stdout)は標準エラー出力(stderr)にリダイレクトされます。

具体的には、このコマンドは、コマンドの出力(stdout)をエラー出力(stderr)にリダイレクトします。つまり、コマンドが生成するすべての通常の出力は、エラーメッセージと同じ場所(通常はターミナル)に表示されます。

このリダイレクトの形式は、特にデバッグ時に役立ちます。これにより、コマンドが生成するすべての出力(通常の出力とエラー出力)を一元化し、それらを一緒にログファイルなどに保存することができます。例えば、`command > log.txt 2>&1`とすると、標準出力と標準エラー出力の両方が`log.txt`に保存されます。この場合、`2>&1`は「標準エラー出力を標準出力にリダイレクトする」という意味で、これによりエラーメッセージも`log.txt`に保存されます。