Linux LPICレベル1 コマンド

「pgrep -u root」、「pgrep -U 0」

`pgrep` コマンドは、プロセスID (PID) を検索するためのコマンドで、特定の条件に一致するプロセスのPIDを表示します。`pgrep` コマンドは、プロセスの一覧から条件に一致するプロセスを選択し、それらのプロセスのPIDを表示します。

`-u root` オプション

- 意味/効果: `-u` オプションは、プロセスの所有者(ユーザー名)に一致するプロセスを検索します。この場合、`root` ユーザーによって所有されているプロセスを検索します。
- 読み: `-u` オプションは "ユーザー" を意味し、`root` は "ルート" と読まれます。
- 由来: "pgrep" は "プロセス グリッパー" から派生しており、プロセスIDを検索するためのユーティリティです。`pgrep` の `-u` オプションは、プロセス所有者のユーザー名に対する検索条件を指定するためのものです。

`-U 0` オプション

- 意味/効果: `-U` オプションは、実効ユーザーID(EUID)に一致するプロセスを検索します。`0` はルートユーザーの実効ユーザーIDを表します。このオプションはルートユーザーによって実行されたプロセスを検索します。
- 読み: `-U` オプションは "実効ユーザー" を意味し、`0` は通常 "ゼロ" と読まれます。
- 由来: 同じく "pgrep" のオプションで、プロセスの実効ユーザーIDに対する検索条件を指定するものです。`-U` オプションを使用して、実効ユーザーIDが0のプロセス(通常はルートユーザー)を検索できます。

つまり、`pgrep -u root` は `root` ユーザーによって所有されているプロセスのPIDを表示し、`pgrep -U 0` は実効ユーザーIDが0(ルートユーザー)のプロセスのPIDを表示します。

ユーザー、所有されているプロセス、実行ユーザー、

それぞれの概念について詳しく説明します。

1. **ユーザー (User)**

- ユーザーはコンピューターシステムにログインする個別のアカウントを表します。それぞれのユーザーには一意のユーザー名(通常、テキストで表現される)が割り当てられ、パスワードで保護されています。ユーザーアカウントは特定のユーザーに関連付けられており、そのユーザーの識別を行います。
- ユーザーアカウントは、ファイルやプロセスに対するアクセス制御の基本です。各ユーザーは自分のユーザーアカウントでログインし、その権限に基づいてシステム上の操作を行います。

2. **所有されているプロセス (Owned Processes)**

- 所有されているプロセスは、特定のユーザーによって作成または所有された実行中のプロセスを指します。プロセスはプログラムやアプリケーションの実行インスタンスであり、それぞれが実行中のユーザーによって所有されています。
- ユーザーが新しいプロセスを生成すると、そのプロセスはそのユーザーによって所有されます。プロセスの所有者は、通常、そのプロセスに対する制御やアクセス権を持っており、そのプロセスが実行される際には所有者の権限が考慮されます。

3. **実行ユーザー (Effective User)**

- 実行ユーザー、または実効ユーザー、はプロセスが実行されている間、そのプロセスが表すユーザーのことを指します。実行ユーザーは、プロセスが実際にどのユーザー権限で実行されているかを示すものです。
- プロセスは通常、プロセスを起動したユーザーの権限で実行されます。しかし、一部のプロセスは実行中にユーザーを切り替えることがあります。これはセキュリティや特権分離の目的で行われ、例えば、ルートユーザーが一般ユーザーの権限でプロセスを実行する場合などがあります。

これらの概念は、LinuxやUnix系のオペレーティングシステムにおいて、セキュリティとアクセス制御の側面から非常に重要です。ユーザーはシステムへのアクセス権限を管理し、所有者としてプロセスを識別し、実行ユーザーは実際にそのプロセスがどの権限で動作するかを示します。