Linux LPICレベル1

「tr -d '\r' < sample.txt > sample-new.txt」と入力した結果

「tr -d '\r' < sample.txt > sample-new.txt」は、Linux 環境で使用されるコマンドラインコマンドの一部です。このコマンドはテキストファイル内の特定の文字を削除し、出力を新しいファイルに保存するために使用されます。

以下に各部分の説明をいたします。

1. `tr`

`tr` は "translate" を表すコマンドで、テキストの文字を変換するために使用されます。

2. `-d`

`-d` オプションは、指定した文字を削除するオプションです。

3. `'\r'`

これは削除対象となる文字を表します。`'\r'` はキャリッジリターン(Carriage Return)文字を示します。キャリッジリターン文字は、特に Windows ベースのテキストファイルで改行の制御に使用されます。Unix/Linux 環境では改行文字として `'\n'`(ラインフィード)が一般的です。

4. `< sample.txt`

この部分は、`sample.txt` ファイルからデータを読み取るためにリダイレクト演算子として使用されます。`sample.txt` の内容を標準入力に供給します。

5. `> sample-new.txt`

この部分は、変換されたデータを `sample-new.txt` ファイルに保存するためにリダイレクト演算子として使用されます。新しいファイル `sample-new.txt` が作成され、そこに出力されます。

このコマンドは、特に Windows 環境で作成されたテキストファイルを Unix/Linux 環境で正しく処理する際に便利です。`'\r'` キャリッジリターン文字を削除することで、テキストファイルを正しく表示および処理できるようになります。

-d オプション

`tr` コマンドの `-d` オプションは、"delete"(削除)の略です。このオプションを使用すると、指定した文字セット内の文字を削除することができます。`-d` オプションは、`tr` コマンドが特定の文字を変換せずに削除する場合に非常に有用です。

具体的には、`tr` コマンドは、標準入力から受け取ったテキストデータの中から指定した文字セットに含まれる文字を見つけて、それらの文字を削除します。`tr` コマンドはテキストの変換にも使用できますが、`-d` オプションを使用すると特定の文字の削除が行われます。

例えば、`tr -d 'a'` とすると、テキストデータからすべての小文字 'a' を削除します。したがって、`-d` オプションは文字の削除に使用されることから、"delete" の頭文字を表す `-d` オプション名が付けられています。