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Tune2fsコマンドとそのオプションについて
"tune2fs"は、LinuxおよびUnixベースのオペレーティングシステムで使用されるコマンドラインユーティリティです。このユーティリティは、Ext2、Ext3、およびExt4といったLinuxファイルシステム用に設計されており、これらのファイルシステムを調整および設定するために使用されます。以下に、"tune2fs"の由来、語源、および主な機能について説明します。
1. 由来と語源
"tune2fs"は、"tune"(調整)と"ext"(Extended File Systemの略称)から派生しています。"ext"は、LinuxおよびUnix系のファイルシステムで広く使用されているファイルシステムの種類を指します。"ext2"は初期のLinuxファイルシステムで、後に"ext3"と"ext4"などのバージョンが開発されました。"tune2fs"は、これらのファイルシステムを調整(tune)するためのツールであるため、その名前が付けられました。
tune2fs コマンドの名前は「tune ext2 filesystem」の略で、元々は ext2 ファイルシステム向けに設計されました。その後、ext3 と ext4 ファイルシステムでも使用できるように拡張されました。
2. 機能
"tune2fs"の主な機能は、Ext2、Ext3、Ext4ファイルシステムのパラメータや設定を変更することです。以下は主な機能と対応するオプションの例です:
- ファイルシステムのラベルの設定や変更: ファイルシステムにラベルを割り当てたり、変更したりするためのオプション。
- マウントオプションの変更: ファイルシステムのマウントオプションを調整するためのオプション。
- バックアップと復元: ファイルシステムのスーパーブロックのバックアップと復元を行うオプション。
- チェックインターバルの設定: ファイルシステムの定期的なチェック(fsck)を実行する間隔を設定するためのオプション。
- バッドブロックリストの管理: ファイルシステムにおけるバッドブロック(故障したセクタ)のリストを管理するためのオプション。
"tune2fs"は、システム管理者やユーザーがファイルシステムのパフォーマンスや安定性を向上させるために使用できる強力なツールです。また、これらの操作は通常、スーパーユーザー(root権限を持つユーザー)が実行します。
オプションの説明と由来
-i オプション
- 「-i」オプションは、最終アクセス時間を更新する頻度を指定するために使用されます。最終アクセス時間は、ファイルが最後にアクセスされた日時を示す属性です。
- インターバルは「tune2fs」コマンドを使用して設定できる間隔で、デフォルトでは 24時間(1日)です。
- インターバルを設定することで、ファイルシステムの最終アクセス時間の更新頻度を変更できます。より長いインターバルを設定すると、ファイルシステムのパフォーマンスが向上し、最終アクセス時間の更新が減少します。これは、一部の場合でファイルシステムの負荷を軽減するのに役立つことがあります。
例えば、以下のコマンドを使用して「-i」オプションを設定できます。
sudo tune2fs -i 7d /dev/sdX
このコマンドは、指定されたデバイス(/dev/sdX)のファイルシステムにおいて、最終アクセス時間の更新間隔を7日に設定します。ファイルシステムの最終アクセス時間の更新頻度を調整することで、システムのパフォーマンスやディスクの寿命を最適化することができます。
-i オプション:ファイルシステムを検査する間隔を整数で指定する。
語源: "increase"(インクリース:増やす)から派生
由来: ファイルシステムのブロックサイズを増加または変更するためのオプション名
```bash
tune2fs -i 1d /dev/sda1 # 1日後に自動検査
tune2fs -i 1w /dev/sda1 # 1週間後に自動検査
tune2fs -i 30 /dev/sda1 # 30回マウント後に自動検査
```
-m オプション
-m オプション:ファイルシステムの空き領域の割合を変更します
語源: "minimum"(最小)から派生
由来: 空き領域の割合を最小値から変更するためのオプション名
-c オプション
-c オプション:ファイルシステムのチェックサムフラグを有効または無効にします
語源: "checksum"(チェックサム)から派生
由来: チェックサムフラグを有効または無効にするためのオプション名
-L オプション
-L オプション:ファイルシステムのラベルを変更します
語源: "label"(ラベル)から派生
由来: ファイルシステムの識別用ラベルを変更するためのオプション名
オプションの使用例
以下に、各オプションを単独で使用した例を示します。
```bash
tune2fs -i 0 /dev/sda1 # 自動検査を無効にする
tune2fs -m 5 /dev/sda1 # 空き領域の割合を5%に設定する
tune2fs -c 1 /dev/sda1 # チェックサムフラグを有効にする
tune2fs -L "MyDisk" /dev/sda1 # ファイルシステムのラベルを"MyDisk"に変更する
```
情報提供、参考情報
【 tune2fs 】コマンド――ext2、ext3、ext4ファイルシステムのパラメータを変更する
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1803/23/news031.html